フランスの豊かな自然が育んだ新鮮な食材が集まるパリの“マルシェ”。フレッシュなフルーツや青々とした大きな野菜、いろいろな種類のチーズ…美味しい匂いと陽気な雰囲気に包まれています。そんなマルシェをオーナーシェフがはじめて訪れたときの感動が、「パリの朝市」誕生のきっかけでした。今回は、フランボワーズの人気商品「パリの朝市」の美味しさの秘密に迫ってみたいと思います。
シュー・ア・ラ・クレーム(シュークリーム)のシューはフランス語でキャベツの意味。オーナーシェフは、パリのマルシェで出会った大きなキャベツの存在感に圧倒され、「こんな感動的なシュークリームを作りたい」と胸はずませ帰国、試行錯誤を重ねて完成したのが「パリの朝市」です。
両手であふれるほどの大きなフォルム、パリパリのシュー生地、その中から溢れ出る新鮮な卵と生クリームを使ったコクのあるカスタードクリーム。素材だけでなく、作り方にも、オーナーシェフならではのこだわりが込められています。例えば、カスタードクリームと生クリームを混ぜ切らないで、クリームをマーブル状にすること…。ひと口ほお張ると、パイのサクサクした食感、その後、香ばしいシュー皮を引き立てる口どけの良い生クリームが広がり、最後にコクのあるカスタードクリームが自然と溶け合う、徐々に折り重なる絶妙なハーモニーは、想像を越える美味しさに。「パリの朝市」は、オーナーシェフのスイーツ作りの原点であり、深い想いがたっぷり詰まっています。
様々な食感や味わいが楽しめる「パリの朝市」は、一日に約600〜700個作っています。パリッパリのシュー皮は、一度焼き込んで、穴をあけ、もう一度カラ焼きをして…と約2時間かけて仕上がっていきます。ひとつ一つ表情の違うシュー皮はまるで子どもの様。クリームを詰め、粉糖で仕上げるまで、毎日心を込めて作っています。では、実際に「パリの朝市」の工程をお見せしましょう。
バター、水、塩を沸騰させます。粉がダマにならない様、一気に入れて素早く混ぜ合わせます。
焼き上がった時にフワッと盛り上がりキャベツの様なシルエットになるポイントがココ。グルテンが出るまで生地をよく練り込みます。木べらにつかないくらいふわふわになったらOK。
生地の中に卵を入れていきます。均等によく混ぜるため、卵は少しずつ入れていきます。ミキサーで混ぜた後は、手で混ぜ込みます。毎日の経験から、生地の落ち具合や伸び具合により状態をみます。
鉄板の上にパイシートを並べ、シュー生地をテンポよく均等に搾っていきます。パイシートが柔らかくなる絶妙なタイミングで優しく包込みます。
オーブンで一度焼き込み、穴をあけてカラ焼をします。約2時間かけて、丁寧に焼き上げたシュー生地はこんがりきつね色。これで「パリの朝市」のシュー皮が完成です。
次はカスタードクリームの作り。白っぽくなるまでグラニュー糖と卵黄を混ぜます。よく混ぜ合わせることで口溶けなめらかなクリームになります。粉はグルテンを出すとネチョッとしたクリームになってしまうので、軽く混ぜます。
牛乳と合わせたクリームを火にかけ熱すると、弾力のあるカスタードクリームになります。クリームを安定させるため、冷蔵庫でよく冷やし、寝かせます。
食べたとき、口溶けのよい生クリームとコクのあるカスタードクリーム、両方の風味を感じる様、完全に混ぜきらずマーブル状にします。
シューのサクサク感を損なわない様に、クリームは注文が入ってからひとつ一つ詰めます。粉糖でキレイに化粧をしたら出来上がりです。